クレジットカード業界について

さらに普及の余地のあるクレジット決済

国内のクレジットカードの発行総数は2015.3現在約2.5億枚で、一人当たり、2.5枚のカードを持つ計算です。
しかし、日本のカード決済の比率は小さく、2015年の取扱額は約50兆円で、少しずつ伸びていますが消費支出全体の約15パーセント程度と言われます。
アメリカでは25パーセント程度、韓国では5割を超えると言われていますので、これらの国に比べると大きな発展の余地があるようです。

その理由は、手持ちの現金を使わないクレジットカード決済を借金だと捉える人が多数を占め、避ける傾向にあるからだと思われます。
そのため、クレジットカード決済に否定的なイメージを持ち、ショッピングの際、現金払いを望む人の方が圧倒的多数派です。

また、現金払いが主流である背景の一つに、日本国内の治安の良さも上げることが出来ます。
治安が悪ければ、キャッシュを持ち歩くことは極めて危険であり、クレジットカードの安全性が際立つのです。
一方、インターネットショッピングにおいてはクレジットカード決済の比率がずいぶん高いウエイトを占めます。
現金決済ができないことはもちろんですが、金融機関振り込みであれば時間と手間がかかるうえに、手数料まで必要となります。
インターネットショッピングではクレジットカード決済の優位性が光りますので、今後ネットショッピングの拡大に合わせて、クレジットカード決済の比率も上昇が見込まれています。

カード業界の利益の仕組み

カード会社の利益は大雑把に言うと2通りで、顧客が購入したショップが払う手数料と、リボ払いなどの場合の顧客が払う利息です。
基本的には取扱高の増加に伴って収益も上がる方向にありますので、ポイントの還元などのポイントサービスを実施したり、プレゼントが当たったりする特典を用意して消費者の購買意欲を引き出します。
消費者にとっては、このポイントを貯めて、お得感が得られることもクレジットカードの大きな魅力の1つです。

メガバンクが対消費者へのウエイトを重視

メガバンクは、日銀のゼロ金利、マイナス金利政策の影響や優良企業のあつい内部留保のため金融機関を通した間接金融の資金需要も少なく、収益構造の見直しが喫緊の課題となっているのです。
そのため消費者を主要ターゲットとした消費者ローンのみならず、クレジットカードへの積極的な参入が見られます。

三菱UFJ銀行の傘下にはニコスがあり、三井住友FG傘下にはセディナがあります。
みずほFGはクレディセゾンやUCカードなどとの連携を模索するなど、さまざまな動きが進められています。
また、従来であれば一つの分野で成功すればそれでよかったのですが、変化の速い現代では、「Yahoo! JAPAN」が「Tポイント」と連携、「電子マネー「nanaco」を持つ「セブン・アンド・アイHD」と「WAON」を持つ「イオン」が提携する等複合的に提携が進みます。