ジュエリー業界について

不思議な価値を有するジュエリーを扱う業界

かつて経済学者のアダム・スミスが「水とダイヤの逆説」といったように、生きるために水は必要ですがダイヤは必要ではありません。
しかし生きるために有用な水よりも、有用でないダイヤモンドの方が、価値が高いということを説明する際にこう言ったのです。
実際にいくら高価なダイヤで身を装飾していても、食事にありつけるわけでもなく、防寒に役立つわけでもありません。

ところが、ダイヤは人類が誕生して以来、特別なモノとして扱われ、多大な財貨を投じてダイヤを購入してきました。
ジュエリー関係者は、このダイヤモンドの価値を使用価値に限定して捉えるのではなく、所有による精神的な価値も含めて顧客に説明が求められるのです。

金・プラチナは不動の人気がありながらも苦戦する業界

ジュエリーの素材として人気があるのは、昔から変わらず金とプラチナです。
金は、人類が誕生して初めて装飾品に使った金属で、変化しない輝きと希少性から貴金属・資産として全世界で高い需要があります。
プラチナは金よりもさらに希少性が高く、こちらも古くから珍重され、ルーヴル美術館には最古とされる装飾品「テーベの小箱」が保管されます。

なお、ジュエリー素材に金やプラチナが使用される理由は、希少性に加え加工が容易であるという特徴を持つことが挙げられます。
ダイヤやルビーなど様々な宝石との相性も良く、宝石と相まって豪華さ、高貴さなどのデザイン性を演出できるのです。

ところで現在のジュエリー業界に目を向けると市場規模は1兆円を下回っています。
バブルのピーク時には3兆円超えであったことを考えると、この20〜30年間で約70パーセントも減少している事になります。
もともと景気の動向に大きく左右される業界なのですが、何らかの打開策が求められます。

可能性を秘める業界の将来性

近年のジュエリー業界の売上の動向は、外国人観光客の活発な消費行動に大きく依存する傾向にあり、しばらくはその状況が継続すると見込まれます。

一方、ブライダルジュエリーマーケットの縮小や景気回復と言われる中でも消費者の節約志向は根強く、国内での消費には大きな期待が持てないのが実情です。
今後、少子高齢化が進展する中、ジュエリーの価格を手の届く金額に設定し、若年層を市場に呼び戻し購買層を広げることがポイントとなるでしょう。

また、日本産のパールが全世界で高く評価されているように、職人芸とも言える国内の技術をフル活用して品質アップに努め、国外マーケットに積極的に進出することももう一つのポイントでしょう。
既にお隣の中国人をターゲットとして、SNSや旅行会社とタイアップして情報発信を始めた会社も現れましたが、さらに全世界のマーケットに視野を広げた対策が望まれています。