ビール業界について

発泡酒なども含む広義のビールを展開する業界の現状

一般的にビールという場合、厳密に酒税法で原料や製法が定められるビールだけでなく、発泡酒や第3のビールと呼ばれるものも含みます。
これらの製品を製造・販売し、事業展開しているのがビール会社と呼ばれる企業群です。
ビール製品の種類はさまざまな銘柄がありますが、ビール業界を形成する会社は国内では4社のみです。

この4社は、コマーシャルでもよく目にする機会の多いアサヒグループHD、キリンHD、サントリーHD、サッポロHDです。
この4社で日本国内の出荷シェアのほぼ99パーセントを占めるほどの規模があります。

近年の消費者は節約志向から、飲食店でビールを飲むスタイルから、安価な缶ビールを自宅で飲むスタイルに変化しました。
業界はこの変化に合わせ、発泡酒や第3のビールを始めスタンダードなビールをコアとして、さまざまなタイプの製品を展開している状況です。

M&Aに積極的な業界の動向

国内ビール市場での企業別シェアは、スーパードライというロングセラー銘柄を有するアサヒグループHDがトップです。
しかし、この企業の特色として海外での販売額が1割程度にとどまるのに比べ、サントリーHDやキリンHDは3割程度で、アサヒは海外展開に出遅れた感があります。

そのため、アサヒも英国の大手ミラー傘下にあるヨーロッパのビール関連事業を営む複数企業を買収しました。
海外進出は各ビールメーカーがメインに据える経営戦略で、その手段の主力と考えられているのがM&Aです。

ただし、買収出来てシェアが高まればそれでよいというモノではなく、失敗は収益拡大どころか赤字に転落するリスクもある手段です。
失敗例として挙げられるのは、平成26年に行われたキリンのブラジルの大手ビール会社の買収でしょう。
買収後ライバル企業との価格競争に敗れて、収益が顕著に悪化してしまいました。

業界の課題と今後の将来性

業界が直面する第一の課題に挙げられるのは、国内消費者の節約志向を起因とする、特に飲食店での「ビール離れ」です。
自宅での消費は単価の安いビールが多いことに加え、量についても期待できないため、結果としてビール離れが進んでいます。
そこで各社ともに、新たな市場の開拓と新商品の開発に力を注いでいる状況です。

第2の課題は、酒税法改正の動きで、ビールは原料の種類の違いになどより異なる酒税率が課されることとされます。
このことは酒税の多寡により、製品の小売価格に大きな影響を与えます。
各社が得意とする商品ジャンルが違う事もあり、酒税法改正はビール業界の勢力図にも影響を与えるのです。

さらに第3に、将来性を占うにあたり重要なのは、新市場の開拓のためのM&Aを成功させることが大きなポイントを握っています。