プロレス業界について

衰退が見られたプロレス業界

リングロープを使って飛び膝蹴りを入れ、血と汗を飛び散らせたり、コーナーポストによじ登りバック転で勢いよく飛び降り、場外の相手に体をぶつけるボディアタックをしたりする格闘技のプロレス。
戦後のTVの黎明期は、銭湯や近所の方が集まってテレビのブラウン管を囲む、相撲と並ぶ人気を誇っていました。

力道山、ジャイアント馬場といった大スター選手が次々に登場し、ダイナミックな技でテレビの前の視聴者を興奮させたスポーツです。
当時に比べれば他のスポーツも盛んになり、相対的にプロレスは大きく地位を譲った感がある事は否めません。
国内はラグビーワールドカップや五輪を直前に控え、スポーツビジネスはクローズアップされる機会も増えました。

しかし実は、スポーツ産業としてみた金額ベースの規模は、全体でみればバブル崩壊以降減少が続いているというのが事実です。
スポーツコンテンツに対するスポンサー企業の提供金額の低迷や、スキーやゴルフなどアイテムを揃えるためにお金のかかるスポーツのブームが過ぎたことが主な原因とみられています。

復活の兆しを見せる新日本プロレス

プロレスの人気は平成9年に年間動員数約80万人を記録したのち、平成15年に半減し2010年にかけても減少傾向に歯止めがかかりませんでした。
しかし、新日本プロレスが平成22年に各種のコンテンツを総合的にプロデュースする会社「ブシロード」に買収された後、新日本プロレスの売上は3倍以上の驚異的な伸びを示しています。
これはプロレス団体全体の売上が回復したということではなく、新日本が復活傾向を示しているという事なのです。

元々人気のあるスポーツで一定の視聴者を確保していたプロレスというジャンルが、組織の内部分裂や総合格闘技への人材流出という理由でファンを失っていたのが低迷の原因です。
新日本プロレスは平成17年以降ユークスへのオーナー変更に伴い組織化され、ベースが確立されました。
これに加え、ブシロードの買収による強いメディア力により、離れていた新日本プロレスファンが戻ってきたというのが実態でしょう。

興行の成長ヒントを示している新日本プロレス

興行ビジネスはシンプルな構造で、来場者人数×一人当たり単価=売上で計算できます。
新日本プロレスの興行戦略は、TV以外にも様々なメディアと連携し、スター選手を作って試合のレベルを上げ、リピーターを増やして来場者人数を増やしました。

また、客単価をアップするため、ブシロード社が得意とするイベント運営力や試合のラインナップを拡充するなどして底上げを図っています。
このように来場者数増加と単価アップを個別に検討して、新しいアイデアを取り入れることが興行の成長の秘訣です。
さらに現在新たに取り入れられたのが、月定額料金見放題の動画視聴サービスというデジタル化で、海外展開も進めています。