保険業界について

刻々と変わる業界

赤色と黄色のバルーン
現在の保険業界は時代の流れと共に様々な変化がもたらされています。
その中でも注目したい損保業界の動きやその他国内外の動きについてご紹介します。

メガ3グループ

損保業界の動きとして注目されたのが、従来の大手6社から3メガグループに変わったことです。
まずは三井住友海上HD、あいおい、ニッセイ同和の3社の経営統合によって誕生したMS&ADインシュアランス・グループ・ホールディングスです。
MSは三井住友、Aはあいおい、Dはニッセイ同和にちなんで名付けられたものです。

損保ジャパンと日本興亜損保が経営統合して生まれたのがNKSJホールディングスで、NKは日本興亜、SJが損保ジャパンにちなんだものです。
更に東京海上HDを加えた3社が日本の損害保険事業のうち約9割を占めており、寡占状態にあると言えます。

以前は複数の損保会社が存在していましたが、なぜ最近になって再編が行われるようになったのかという背景を調べてみると、金融保証保険で各社が大きな損失を出したことや、国内で損保市場が縮小していること、収益が低下していることも大きな原因になっていると考えられます。
特に若い世代で車離れが加速したことから、損保会社の中でも大きな収入源であった自動車保険の収入が大幅に減ったという背景も関係しています。

このような背景から各社が規模の拡大は効率化を図るために経営統合を行なうようになりました。
国内で苦戦を強いられている損保市場を何とか乗り切るという意気込みで各社がしのぎを削っているところです。

国内外の動きについて

保険業界で注目されている国内外の動きとしては、平成28年年5月から施行された改正保険業法によって保険会社の代理店に対する規制が厳しくなるという動きと、欧州では同年1月から規制が始まりました。
これらの動きの影響を受ける形で日本では代理店が再編される場合や、海外にも規模を広げる保険会社によるM&Aがどんどん活発になると見込まれます。

国内の代理店においては情報提供と意向把握、体制整備という3種類の義務付が厳格化されています。
特に契約者に対してしっかり説明責任を行なうことが厳格化され、場合によって金融庁が立入検査を行なう場合もあります。
資本力がある代理店については十分な対応ができると考えられますが、そうではない代理店については今後再編が進むことが予想できます。

ソルベンシー2とは資産と負債を時価で評価するのを前提にしている資本規制のことです。
海外の保険会社は様々なリスクに耐える十分な自己資本を、時価で確保する必要に迫られています。
場合によっては資本が不十分な会社は「身売り」される可能性もあるだろうと予測されています。