家電業界について

業界の動向

3台のビデオデッキ
業界規模64兆5,833億円を誇る家電業界は自動車業界と同じく日本経済を牽引してきた業界であることは間違いありません。
世界規模で事業を展開してきた家電業界ですが、ここ数年は韓国や台湾の家電メーカーにもそのシェアを奪われることがあり、非常に厳しい経営環境にあることは間違いありません。
労働者数359,996人、平均年齢41.2歳、平均勤続年数17.2年、平均年収676万円であり、労働組合もしっかりとしていることから比較的労働環境には恵まれている場合が多く、工場作業員に至っては有給取得率も高い一方、設計や営業といった職種では厳しい売り上げ目標や納期によってストレスを感じている人も非常に多く、職場のメンタルヘルスは欠かせないという現状もあります。

大手家電メーカーの福利厚生は非常に整っているので、女性社員の離職率も他の業界に比べると低いです。
以前(2009年)政府のエコポイント制度を導入した際には売り上げが非常に伸びたという一方で、かなり値段をたたかれてしまい、利益には直接つながらなかったという話もあります。
価格下落は激しく、液晶テレビも以前より相当価格下落が顕著です。

これは台湾や韓国勢といったアジア勢の台頭によるところが大きく、サムソン電子、LG電子に世界シェアの1位、2位を譲るといった事態になっているのが現状です。
日本としては、高付加価値のついか高価格製品の投入によって市場を活性化させる動きもありましたが、販売シェアを巻き返すところにまではいっていません。
3Dテレビやドラム型洗濯機など新たな市場を作り出してきた日本としては、今後も新製品を投入し続けることによって、売り上げ拡大を目指すということになります。
家電メーカーの命綱である技術者ですが、ここ数年では海外への転職組もでるなど人材の流出を危惧する声もあります。

今後の展望

今後の焦点としては、新興国市場でどこまでの範囲のシェアがのばせるかがかぎになってくるでしょう。
地域別の売り上げでいうと、中国が北米と肩を並べるほどまでに成長してきており、今後は南米やアフリカなども市場拡大することが見込まれています。
人材も現地採用によって現地の人と市場調査、開発、生産するといった現地化が進んでいる企業も多いです。
ますます国内の人材としてはグローバル感覚をもっていつでも海外市場へ商品を投入できるようなビジネスマンが求められることとなるでしょう。
新市場では最初どれだけ認知度を高められるかということも重要です。
各国メーカーが新市場にて自社ブランドのシェアを獲得するべく熾烈な競争が繰り広げられていますので、日本としても先行して商品を投入していくことが必要です。
ソニーがテレビ事業でグーグル提携したり、パナソニックが三洋電機を完全子会社化するなど、これまでにない家電業界で大きな流れが生まれつつあります。
家電メーカーはそれぞれがライバル関係にあり、技術的にもしのぎを削ってきた一面がありましたが、今後は提携、アライアンスなどを通していかに国力としての技術力を高められるかという点も見逃せない業界です。