医薬品業界について

業界の動向

医薬品業界について
現在、国内の製薬メーカーはこぞって成長著しいバイオ医薬品の強化を競っています。
買収や巨額資金を投じてまでする価値のあるこれらの商品開発については、すぐに成果がでるものではありませんが、海外勢との競争は激化する一方であり、優れた研究者を募っていかに新薬開発を成功させるかということが製薬業界としては至上命題になっているのです。

製薬企業にとって研究開発費は成長への原動力であり、国内上位の製薬メーカーは研究開発費の増額にかじをきっていますが、海外勢と比較すると、その格差はまだ歴然としている状況です。
今後、新薬メーカーとしての生き残りをかけて、研究開発費捻出のための新興国を含めた海外展開を狙って収益構造を改善し、収益増を狙っていくという流れがしばらく続くことになりそうです。
新薬にかかわる開発費用は約1000億にもなるということも一説としては言われており、企業収益の改善は急務と言われています。

業界規模:8兆8,418億円、近年でも売上高純利益率、前年比伸び率ともにプラスというのは、他の業界には見られないような点であり、超高齢化が進む現在の日本にとって医療業界というのは今後も成長産業として安定した地位が築かれることが予想されます。
労働者数85万人、平均年齢40歳、平均勤続年数13年、平均年収700万円という点からも、老舗産業で安定しているという点が業界人気の理由の一つですね。
この業界は昔から理系の学生から非常に人気のある業界でもあります。
大学で化学を専攻した学生でも化学系の仕事から決まっていくというくらいの人気ぶりで、薬学部からの卒業生も新薬開発に携わることを夢みているという方がたくさんいます。
現在国内の製薬メーカー第一位は武田薬品工業であり、売り上げは1兆円を超え、従業員も2万人近くにものぼります。

今後の展望

武田薬品工業は2008年にがん分野に強いアメリカのベンチャー企業を買収しました。
業界二位の明日照らす製薬は2010年米社を敵対的買収で傘下におさめるなど、海外企業との合併の動きも見逃せません。
国として医療費の抑制に向けてジェネリック医薬品を普及される方向にもありますので、主力薬の特許切れを見越して買収するなど、企業再編の動きが再び活発になるという一面もあります。
また、中国などで製薬企業が成長し始めてきており、海外展開として新興国に力を入れる国が増えてきたというのも見逃せません。

国内製薬メーカー第四位のエーザイも振興国での拠点整備が進められています。
外資がジェネリック医薬品の市場で先行している今、日本国内としても今後は海外を含めた事業展開がかぎをにぎってくることは間違いありません。
製薬メーカーとして新薬開発に関わる相当高い専門性と経営手腕をとわれる国際感覚のある経営リーダー、ゼネラリスト人材の育成が急務となっているのです。
医薬品の市場規模は現在日本はアメリカについで第二位ですが、新興国からの追随を許さないさらなる発展が期待されるところです。