介護業界について

業界の動向

老人の手元
超高齢化が叫ばれる現代において、今後ますます成長が期待される業界の一つであるのがこの介護業界です。
業界規模は5千億円とまだ他の業界に比べると圧倒的に小さいのですが、売上高純利益率+約5%、前年度から比べてみてもその伸び率というのが、総資産額にすると1兆9千億円ということで、非常に今後は成長が期待される市場であることは間違いありません。
労働者数5万人、平均年齢39歳、平均勤続年数6年、平均年収500万円とあり、これまで介護職は非常に肉体的にも重労働で大変だという認識がありましたが、だいぶ職場の待遇も改善される傾向があります。
売り上げ高にしめる人件費比率が高いこの介護業界においては、その人件費管理をいかに行うかということもかぎにはなるのですが、2009年4月介護報酬が3%引き上げられたことによって職員の人材確保をしたり待遇を改善したりという点で前向きな事業者が増えることが期待されてきました。
実際に交付金のおかげで大手では一定程度賃上げが定着しており、人材も確保しやすくなっています。

今後の展望

今後は人材不足である介護業界に入ってきた人材が流出しないように事業主として労働者の職場改善につとめることも業界として求められていることです。
ただ、介護に関する資金の不正請求問題で介護大手だったコムスンが解体されて数年が経過しました。
事業を継承した各社は様々な苦難の状況もありましたが、事業の効率化などを通じて大幅に業績が改善されてきました。
現在はコムスンから在宅介護と施設介護を継承したニチイ学館が1000億を超える売り上げを誇り、業界トップの位置にいます。
ついで、デイサービスに強い、ツクイ、有料老人ホームの大手であるメッセージなどが介護業界の大手としてあげられます。
ベネッセスタイルケアは有料老人ホームの最大手であり、教育福祉の分野で高い理念を掲げるその事業内容には非常に定評があります。
最近ではジャパンケアサービスグループが夜間対応型や訪問介護に注力しており、こういった利用者のニーズにあわせた事業形態というのはますます求められて市場の拡大も期待されるところだといえるのではないかと思います。

今後は介護業界として、制度や報酬体系の変化に左右されない体質作りも急務とされています。
事業の多角化や保険外サービスの拡充などの動きも活発になることが予想され、消費者のニーズにあったサービスが提供されることがますます求められています。
また、この業界は常に人が少なくて困っている状態であることから、別業種からの転職組みが多いというのも特徴です。
以前は女性がその職につくことも多かったのですが、最近では男性の介護福祉士やホームヘルパーの方も増えてきました。
夜勤があったり、長時間労働、肉体労働も多いなどと現場の仕事は大変な仕事であることは間違いありませんが、やりがいを感じながら仕事に携わっている人の多い業界ですので、興味のある人は思い切って飛び込んでみるのもいいかと思います。