葬儀業界について

超高齢化社会に入り今後とも増加が見込まれる葬儀件数

人は運命として亡くなる以上、その儀式のお通夜や葬儀に係る行政手続きを含めた手配や式の進行を司る葬儀業者への需要が無くなることはありえないでしょう。
しかし、近年は、大々的な盛大な葬儀よりも、小規模な家族葬が主流となってきています。
葬儀社の経営方針途により異なりますが、低価格で行えるプランを提供する事業者が増えるなど、今後もより多様化する需要に応えるプラン設定が求められそうです。

この業種の特徴として、仕事の性質上、大きく広告を打つことが難しい面があり、テレビ広告でも比較的地味な広告にならざるを得ません。
葬儀業界の競争を考慮すると、企業のイメージを良くする策は喫緊の課題です。
国内の2015年の死亡者数は130万人余りと増加傾向を示しています。
超高齢化社会を迎えた日本では、死亡者数も増加傾向が続くと見られ葬儀件数自体は減ることは考えにくいので、消費者の生活スタイルの変化に沿って業界も進化が求められています。

また、実際に高齢化に伴う需要の増加に伴い、新規にこの業界に参入する企業も増えています。
例えば、ホテル、霊園、生活協同組まで、顧客と独自のつながりを持った事業者の参入が目立ちます。

自分の最期を生前に考えておく終活のブーム

近年、学生が行う就職活動の「就活」を文字って「終活」という言葉が注目されています。
終活は自分が最期を迎えるに当たって、生前に自分の葬儀やお墓をどうするかを決めたり、希望を家族へ伝えるための活動です。

かつてからある遺言のようなものですが、遺言というと資産をどうするかといったことがメインに考えられがちですが、「終活」では「エンディングノート」と呼ばれることが多く、主要なポイントは、生前に希望する葬儀やお墓を決めておいて、それを家族に伝えたりするのです。
葬儀についてであれば、祭壇にはこんな花で飾ってほしい、式で流す曲はバッハにしてほしいなど、希望を伝えておくのです。
またお墓であれば、墓石にはこのような言葉を彫ってほしいといった希望を残します。

件数の確保の多様化を図る葬儀業界

従前より慣例的に行われてきたのは、病院の指定業者制度による営業です。
病院で亡くなった患者の移送は葬祭事業者の仕事ですので、亡くなった患者の遺族が葬儀の業者を決めていない場合に病院に斡旋を頼むという方式です。
病院の指定業者になれば葬祭業者を決めていない遺族から葬儀の委託を受ける可能性は極めて高くなります。

しかし、近年では、葬祭業者を事前に決定している遺族が多数を占め、指定業者が式を受ける割合は20パーセント程度ともいわれ、業者にとって必ずしも効率的とは言えない状況です。
新たな、囲い込み策として会員制度を作る業者も多く、生前に無料会員として登録すれば、葬儀費用を数パーセント引きとするなどの工夫をしています。

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