歯科業界について

競争の激化が進む歯科業界

マスク
歯科業界は医療業界の中でも緊急性が少なく従事者側の負担が少ないということもあって、人気の分野として長く知られてきました。
ですがそんな人気のある分野であったこともあり、現在では需要に対して供給過多の状態になってしまい大変な競争の激化が進んでしまっています。

通常の医療機関の場合総合病院や大学病院のような大規模での運営が多くされているのに対し、歯科業界は反対に個人運営の施設が多いという特徴があります。
そのためどうしてもその診療所の運営は個人まかせになりがちであり、条件が他の施設に比べて劣る部分がある歯科医院は安定した運営ができないという状況を生み出してしまっています。

一方で積極的な運営が実って大きく成長をしている歯科医院も多くあり、全国にある歯科医院は二極化が進んでしまうことになりました。

歯科業界の格差の原因とは

成功している歯科医院が年間1億円以上もの医業収入を得ているのに対して、赤字経営となっている施設もそれと同程度存在しています。

この格差を生み出す最も大きな原因になっているのが、その施設における営業戦略です。
目端のきく施設においては、他の歯科医院が行わないような休日診療や夜間診療などのニーズに応える営業をしていたり、通常の歯科医療行為の他に審美歯科のような自己負担による診療を売り出すといったような戦略をとって成功をしています。

反対に人口そのものが少ない過疎地域の歯科医院や、従来のような平日昼間のみの診療を続けている医院においてはどんどん客層をとられていくことになってしまい、赤字経営から脱出できないという状態が続いてしまっています。

また歯科医院といえば子供など苦手に思う人が多いこともあることから、子供向けに施設を訪れやすいものに改築をしたり、清潔感のある設備にしたりといったような細かな工夫もかなり効果を見せているようです。
専門の歯科医向けのコンサルタントもいるほどで、そうした営業戦略をいち早く導入したかどうかが現在の格差の大きな理由となっています。

今後も淘汰が進むことが予想されます

格差の大きな歯科業界ですが、今後もこの動きは変わらず二極的運営がされていくことが予想されています。
特に注目されているのが、将来的に大きなニーズに成長する可能性のある高齢者向けの歯科医療です。
高齢者にとっては歯科治療の必要性は若い世代以上のものであるため、そのニーズをどのように満たしていくかという戦略が問われてくることになります。

また、インプラントや最新の審美歯科のようにどんどん進化をしていく歯科医療をどうとりこみ宣伝していくかということも重要になってきます。

社会的な歯科医療のニーズはなくなるわけではないので、それをどう取り込んでいくかということが今後の課題と言えます。