航空業界について

業界の動向

現在、航空業界は激変の時代を迎えてしまいと言うもの格安航空会社の新規参入により、今までは考えられない価格での航空運賃が導入され、そのサービスも様変わりしつつあります。
2010年に日本航空(JAL)が破綻して会社更生法の適用を申し出て、公的機関の企業再生支援機構の管理下で抜本的な経営再建を目指すこととなりました。
路線の削減や人員の大幅圧縮などもその経営再建の中で実施されており、この日航の再建の行方に他の航空各社も注目しているというところです。

業界規模は1兆5,000億円、労働者数18,116人、平均年齢38.3歳、平均勤続年数8.5年、平均年収603万円の業界で、パイロットや客室乗務員は学生にとっては花形職種であります。
航空業界に入るための就職対策セミナーや専門学校もあるほどで、その事業領域の広さはもちろんのこと、労働環境や仕事へのやりがいなど、仕事そのものについては非常に人気のある業界であるということが言えます。
旅客需要は回復傾向にあるとはいうものの、運賃価格は低い水準で推移しているということもあり、海外の航空各社との競争も激化しています。
羽田空港で国際定期便が開設されることもあり、仕事帰りに羽田から海外リゾートに旅行なんというスタイルも様変わりしそうです。

今後の展望

日本からのアメリカ、アジアへの新規路線の開設もある一方で同時に相手国からの乗り入れもありますので、ますます競争は激化されることが予想されます。
ANAの飛行機
この中で各社ともにコスト削減を進めるとともに、魅力あるサービスをどれだけ提供できるかということがかぎとなってくるかと思います。
現在最大の売り上げ高を誇っているのは全日本空輸(ANA)ですが、今後は業界としていつ逆転が起こってもおかしくないような状態が続くことでしょう。
収益構造から経営戦略、安全管理など、今後は様々な面で抜本的な改革が求められる業界です。
企業としての貨物の減少やビジネスクラスの利用の現象など、不況のあおりを受ける一方で顧客ニーズをほり起こした低価格路線を実現した会社もあります。

ただ、運賃の低価格化といいのは、企業にとって悪いことばかりではありません。
今まで飛行機にのったことがないという層の方にとっては、ちょっと飛行機にのってみようかなと新規市場の開拓になる一面もあるのです。
新幹線よりも安いような路線も数多く出現してきており、移動時間も早くてすむということで航空チケットを購入するという顧客の獲得が期待されています。
また、航空産業に関しては、単に低価格路線を進めて経費削減するだけではなく、何よりも安全性が求められる業界です。

人命を預かって運行している飛行機は、間違いが許されないのです。
時折、海外、国内で起きる飛行機事故は整備ミスなどによるものも多く、機体の管理や安全配備に関してはコストを削減することなく、経営体質の改善をはかることによって、成長が期待される産業であるといえるかと思います。
消費者としても、安全性とコスト面の両面でとらえ、サービスを比較しながら自分にあった航空会社を選んでいくことが大切だといえるでしょう。